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お腹を抱えて笑う社長を目の前に私は呆然と立ち尽くしていた。
確かにラッキーアイテム効果ありだ。
社長のこんな笑顔見れたんだもんね、それだけでラッキーじゃない。
一頻り笑い終えると社長はまたいつもの顔に戻す。そして、
「よし、帰るか。」
と言いスタスタ歩き出す。
「えっ?」
私が驚いた声を出すと
「はっ?帰るだけでなんでそんな驚いた顔するんだよ。」
と、ほらね、また眉間にシワが寄ってる。
さっきの笑顔が嘘のようだ。
「ですが社長、先程の私の失態はさすがになかったことには…」
できないよね。思わず顔が俯く。
「なんだ、そんなしおらしい顔もできるんじゃん。」
その声に俯いていた顔をパッと上げると社長は私の側まで来て真顔で言う。
「言ったろ?体で返せって。」
「えっ、ああ…」
さっきブラウスのお金を払おうとした時も言ってたやつか。仕事で返せって。
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