1524人が本棚に入れています
本棚に追加
/285ページ
と、意気込んで来たはいいけれど…
「ここに来るのも一ヶ月ぶりか…」
うぅ…やっぱり足がなかなか動かない。
そりゃ、あれだけのことしちゃったから仕方ないよね。恥ずかしくて会わす顔がないよ。
だけど、
せっかく貰ったチャンス。
掴まなきゃ。
前回同様、従業員入り口にて通行証を貰いバックヤードを進む。
従業員用のエレベーターに乗り込み6階を押し、ドアを閉めようとしたら急いで乗り込んで来た人がいた。
「あっ。」
「おっ。」
なんと五嶋係長だった。
「楠原さん、お忙しいところ今日はお呼び立てして申し訳なかったですね。」
慌ただしく言いながらもドア際に立って閉のボタンを押してくれる。
エレベーターは直ぐに動き出し、と同時に私は五嶋係長の少し後ろの位置から一歩前へ出て、ちゃんと視界に入るよう隣に並んでから話した。
「いえ、こちらこそご連絡頂きありがとうございます。それで、あの、先日は、私、大変失礼なことをーー」
「ほら、もう止めて。僕は本当に気にしてないから。寧ろ…っと、」
エレベーターの中で先日の失礼を先ずは詫びようと思うのに直ぐに他の階からも従業員の人達が乗ってきたりしてその話は中断となる。
6階に着くと五嶋係長に促されエレベーターを降りるとこの前、お邪魔した事務所ではなくさらにバックヤードを進み別の場所へと誘導された。
ついた場所はーー
最初のコメントを投稿しよう!