1530人が本棚に入れています
本棚に追加
席に着くと同時に隣からすかさず、市川さんが声を掛けてくる。
「とは言え、ぶっちゃけどうなのよ、クズハラちゃん
。」
ニヤニヤと嬉しそうな顔の市川さんに思わず呆れて溜め息が出そうになるのを何とか堪えた。
そして、
「ぶっちゃけですか？少なくともーーー私のことをちゃんとく、す、は、らと正しく呼んでくださるくらいには良識のある方でしたよ。」
「えっと、どこまで打ち込んだっけか…」
何事もなかったかのように急に仕事モードに戻る市川さん。
ほんとにこの人だけは…
市川さん越しに仁さんが視界に入る。
せっかく気持ちよくひと仕事終えて戻ってきたのに…
なんであんなこと言うんだろ。
まっ、いっか。
確かに五嶋係長のあの雰囲気に少し気が緩んでたかも。
よしっと気合いを入れ直し私はパソコンに目を向けマウスを握った。
最初のコメントを投稿しよう！