☆ラッキーアイテムは大きめのカバンです!

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そんな事を思い返しながら今日もぎゅうぎゅう詰めの電車に乗り、そして改札を抜けるとその辺りで一番目を引く大きなビルへと向かう。 そして、 いつもの如く、そのビルをクルっと回り込み裏にポツンとある我が社へとーーー て言うかさ、どう考えても不自然だよね。 どうして、ここだけ取り残すように建物があるわけ? 大きめの鞄と共にそんな疑問も一緒に抱え込み、いつもの時代感溢れるドアを押し開けた。 「おはようございま…す?」 あれ? ドアは空いているけれどいつもいるはずの市川さんの姿はない。 今のところ、会社の鍵は仁さんと市川さんが管理している。 なのでいつもなら私が来ると大抵、珈琲カップを手に大きなあくびをしている市川さんの姿があるはずなんだけど… 鞄を置くために二階の奥にあるロッカールームへ向かう。 扉を開けるとーーー 「…仁さん?」 ロッカールームにあるソファに仁さんが寝転んでいた。 「お、はよ…ござ、います?」 恐る恐る声を掛けるもソファに仰向けに寝転ぶ仁さんの顔は腕で覆われていてその表情はよく見えない。
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