☆ラッキーアイテムは大きめのカバンです!

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さらに近付きソファの横にしゃがむと顔を覗き込む。 「おはようございます。朝です…よ?」 もう出社する時間だし起こした方がいいよね? 寝転ぶ仁さんをまじまじと見ればどうやらここで寝たっぽい? 昨日、着ていたスーツのままだ。 上着とネクタイは無造作にソファに投げ掛けてあるけれど… 「仁さん、起きてください。仁さん?」 起きないなぁ。仕方ないよね。 「社長っ!朝ですよっ!起きてください、社長!」 嫌がる社長呼びを連呼してやった。 するとーーー 「…っ、お前、朝からうるせぇ。襲うぞ。」 そう言いながら漸く顔から腕が退けられ表情が見えた。 「襲うって、何言ってーーー、えっ…顔、赤いんですけど。あっ、もしかして熱?風邪引きました?こんなところで寝るから。ちょっと待ってください。えっと、確か風邪薬が…」 いつもの大きめの鞄の中にあるポーチを取り出す。 そこには薬関係を入れてあるのだ。 もちろん、風邪薬にひんやりシートもあったよね。 ああ、だけど薬を飲むなら何か少しでも食べた方がいいか…胃を悪くしちゃうもんね。 私は別のポーチも取り出すと中からシリアルバーを一本出す。 これは急な残業や朝、食べ損ねた時なんかのために非常食として持ち歩いていているものだ。 「仁さん、お薬、飲みましょう。その前にこれ食べれますか?」 そこで漸くソファに寝転ぶ仁さんとちゃんと目があった。 「お前さーーー、」
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