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目の前で繰り広げられる仁さんと市川さんの会話についていけず一人ぽかんとしていると、
「あのさぁ、ダメもとで聞くけどクズハラちゃん、二日酔いの薬なんて持ってないよねぇ。」
再びデスクの引き出しを探しつつ市川さんが聞いてきた。
「あります…けど?」
その瞬間、二人の顔が一斉にこちらを向く。
「えっと…二日酔いに効く漢方薬が鞄の中に入ってるので上に行って取ってきますね。」
急いで二階にあるロッカールームへ行くと後ろから仁さんも入ってきた。
そしてどかっとソファになだれ込む。
「少し苦味がありますけど直ぐに効くと思いますよ。あっ、お水持ってきましょうか。」
言いながら鞄から取り出した漢方薬を一つ仁さんに手渡す。
「いや、これ、あるから。」
私から薬を受け取ると仁さんはあらかじめ持っていたペットボトルの水を口に含んだ。
薬を飲み込むとまた水をグビグビ飲む。
うわぁ…
仁さんの喉元が水を飲む度に動く様子が…
セクシーなんですけど。
ダメダメ。
見惚れてる場合じゃなかった。
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