☆ラッキーアイテムは…お好み焼き?

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☆ラッキーアイテムは…お好み焼き?

あの謎な食事会を経ても未だ仁さんの私に対する接し方に変わりはなく…。 「おい、新入り。」 ほらね、もう入社して二ヶ月が過ぎようとしているのにこの呼び方。 例の如く聞こえないふりするか。 いや、でも結局、あれやこれやと古い話を持ち出されても面倒だしな。 ここは素直にーーー 「うわっ。」 席を立とうとしたらいつの間にか仁さんが私の側に立っていた。 「そんな驚くか?」 「す、いません…。」 余計なことを考えてて気付かなかったわ。 「それで?」 「これ、今日、五嶋さんとこ行くんだろ?渡しといて。」 封筒に入った書類を渡される。 「はい…お渡しすれば宜しいんですね?」 「ああ。例の企画についての契約内容に判子押してあるから。」 「あ…、はい。了解しました。」 そう、例の大人カフェの企画は順調に進み、間もなく着工となる。 今回はひとまず期間限定ではあるけれど、最終目的である常設へ繋げるためにも手は抜きたくない。 予算的な事もあり全てではないにしろ、できる限り妥協はしない。 今一度、気合いを入れていると、 「バカ、もっと肩の力抜けって。最後まで持たねぇぞ。」 「うわっ。」 仁さんは私の頭をくしゃりとするとまた席に戻った。 もぅ…乱暴だなぁ。髪がくしゃくしゃになるじゃん。 乱れた髪を整えながらもぶっきらぼうな優しさにそっと感謝した。 「………じゃないですからっ。」 隣で胸の辺りに小さなハートを手で作りながら私を見てニヤける市川さんに一言言ってから私は出掛ける準備をした。
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