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「五嶋さん、ほら、また。頭、上げてください。俺は寧ろ、チャンスだと思ってます。」
仁さんの言葉に「と、言いますと?」そう言って頭を上げる五嶋さん。
「もちろん、今回のターゲットは大人の男性です。どうしても女性が優先になりがちなショッピングの場に置いて旨い珈琲を飲みながら男性がゆっくり寛げるスペースをと。」
確かに有名バリスタが提供する珈琲も目玉の一つだった。
「予定していたバリスタほど有名ではありませんが代わりとして来てくれるメンバーはどれも有名店で働いていたり、個人で店を持っていたりと実力は保証できます。それに彼らも普段と違う場所という事で良い化学反応を起こすんじゃないかと。それだけの腕を持っている。きっと予想以上のものを提供してくれると俺は信じています。もちろん、俺もそのつもりです。」
「胡桃沢くん、ありがとう。本当にありがとう。」
私の隣で堂々と言い切る仁さんがとても眩しく見えた。
仁さんがそういうならーーー
きっと大丈夫。
上手くいく。
なぜか不思議とそう思えた。
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