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みんな、騙されちゃ駄目!
この人、めちゃくちゃ口悪いし意地悪だし飛んでもない人なんですよ!
と、心の中で叫ぶ。
ふと、視線を感じて顔を上げるとカウンターの中から仁さんが手招きをする。
側に行くと、
「おい、新入り。」
ほらね、喋るとやっぱりいつもの口の悪い仁さんだ。
「なんですか?」
「お前さ、社長自らせっせと動いてるというのにさっきから店の端に突っ立って一人百面相して何やってんだよ。」
「ひゃ、百面相なんてしてません。変なこと言わないでください。」
思い切り否定すると、
「どうでもいいわ。」
はぁ?どうでも良いなら言わなきゃいいじゃん?って言いたいところをギリギリのところで堪える。
「なんでしょうか?」
取りあえず聞き返す。すると仁さんは私の耳元に顔を近付けひそひそと話そうとする。
「ちょ、ちょっと…まっ、」
「待たない。いいか、よく聞け。」
その内容はーーー
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