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道路を渡りその見るからにボロい建物に近づく。
やっぱり。
見たくないものを見てしまった。
入口付近に掛かる会社名を書いた札。
木の板かよっ。
今時、社名を木の板に書く？
老舗の蕎麦屋じゃないんだし……。
そして遂に恐れていた事が…。
「待ってたよ、くずはらさん。無事に辿り着いたね。」
面接をしてくれた人が中から出てきてくれた。という事は今日、私が来るべき場所はここで間違いない訳で…
「あの、えっと。」
何をどう取り繕うとしても無理がある。
ここは率直に聞くしかないか。
「ここが…、会社ですか？」
一瞬、間が空く。
やっぱり、私の勘違いか。
こんなオフィス街にこんなオンボロビル、あり得ないよ。
「そうだよ。ここがうちの会社だけど？今更何を言ってるの？さっ、中入って。」
時代感溢れるガラス製のドアを押し開け、中へ入った。
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