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「お疲れ様でした!一時はどうなることかと思いましたが全て無事に終わることが出来ました。」
前に決起会をしたお好み焼き屋さんにてビールを片手に五嶋さんがホッとした顔で言う。
今日は仁さんも一緒だ。
「結果良ければ全て良し。当初見込んでいた数字越えましたしね。」
仁さんもご機嫌だ。お酒苦手なのにビールが進んでるみたい。
もちろん私も今回初めて任された仕事が上手くいって心からホッとしているし嬉しいよ。
ただ…
どうも納得いかない私は素直にビールを味わう気になれない。
その理由はーーー
「それにしてもお二人がそ、そういう関係だったとは思わなくて…」
なんとも言えない微妙な表情で話す五嶋さん。
「いえ、そう言うことじゃーー、痛っ。」
テーブルの下で軽く足を蹴られた。
もちろん、犯人は私の隣に座る仁さんだ。
「ええ…自分の立場を考えるとイチ、社員とその様な関係になるのはあまりよくないと理解はしています。なので公私混同するつもりはありません。けれどその思いまで消してしまうことは…まぁ、こればかりは。なっ?」
「っ…」
言いながら私に向ける仁さんの目線があまりにも優しくて…
か、勘違いしそうになる。
これはあくまでお芝居。
念には念をと、五嶋さんと私の誤解を解くためと後は仁さんの虫除け。
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