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「で、どういうことなんですか?」
五嶋さんと別れた私達はいつものあのファミレスに来ている。
テーブル席の向かい側には酔いざましのパフェを美味しそうに頬張る仁さん。
酔いざましのパフェってなに?
「どういうことって?なんの話だ?」
仁さんは珍しく飲んだ生ビールの影響かそれともパフェのせいなのか…
どちらにしても今、とても機嫌がいい。
「さっきのですよ。いくらなんでもやり過ぎじゃないですか?よ、ょ、ょびかた…とかも…」
言ってるうちに恥ずかしくなってきた。なのに仁さんは飄々として、
「そりゃ、恋人設定でさすがになぁ、新入りとは呼べないだろが。」
いや、新入りって呼び方自体を見直してはもらえないんですかね?楠原って名字があるんですけど?
「だけどですよ、さっきも五嶋さんがいってたじゃないですか。今回好評だったから暫くは定期的な展開を考えるって。そうなるともう五嶋さんの前ではずーーーっと、仁さんと私、恋人のフリし続けなきゃですよ?」
「だな。なに?お前さ、五嶋さん狙いなの?それだったらーーー」
「別に狙ってません!」
もう、なんでそんな話になるのよ。
私は初めて任された仕事を何事もなく全うしたいだけなのに。
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