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「えー、クズハラちゃん、落とされちゃったんだ。」
さほど驚いた顔でもなく…どちらかと言えばさも当たり前かのような顔つきで市川さんが言う。
「ち、ちが、」
「ああ、まぁ、そういうこと。」
私の声に被せて仁さんが勝手なことを言う。
「はあ?な訳ないじゃないですかっ!これには事情がありまして…って市川さん、聞いてます?」
すでにパソコンの画面に目を戻しどこかへ電話を掛けようとしている市川さん。
何もかもわかってるとでも言いたげに受話器を手に持ち私に大きく頷く。
これ、絶対わかってない方だよね?
そのうち、電話向こうの相手先と話し始めた為に抗議を諦め仁さんの方へ向き直る。
「それで…お話の続きですけど忘れてるってどういうことですか?」
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