訪問者

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 ぼくは慎重に扉を押し開けてクローゼットから出ると、わずかに開いたドアの隙間からリビングをそっと覗いた。自分と同世代くらいの警察官が二人ばかり残って、部屋を物色している姿が見えた。  そっとドアから離れる。寝室の窓に忍び足で近づくと、カーテンをめくった。  陽光が目をうち、おもわず目を細める。  ぼくはゆっくりとクレセント錠をおろし、窓から外に抜け出した。
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