わたしの犬

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けれどわたしは怒りを表に出すことは、できなくなっていた。 事故のショックから、感情表現がおかしくなってしまったのだ。 その後も意識を飛ばすことが度々あった。 だけど10年という年月が経ち、高校生になった今では、それほどヒドイことは起きなくなった。 けれど10年前とは全く違ってしまったところもあった。 ―体質だ。 アレからわたしは強い感情の昂りを起こすと、体が弱ってしまうようになった。 特に怒り。 頭が真っ白になるほどの怒りを感じると、熱を出すようになり、体が弱ってしまう。 病弱体質とも言える体質に変わってしまった。 それまでは何の問題も無い、普通の子供だったのに。 事故からペットはもう二度と飼わないと決めた。 けれど犬の写真はずっと身近に置いていた。 生徒手帳や部屋の写真立て。 そのせいか、犬がずっと側にいてくれているような気がしていた。 いつも一緒にいる気がするけど…でもそんなのはありえないと分かる歳になっていた。 でも不思議なこともあると思っていた。 わたしが強く願えば、結構叶いやすい。 だけど願いも強い思いなので、またまた体調を崩しやすくなる。 体調の悪さはまず、気持ち悪さ。頭痛、だるけ、腹痛だ。 風邪の症状に似ているけれど、ちょっと違う。 一応病院の薬で何とかなっているけど、それでも何か違うような気がした。 うまくは説明できないけど…。
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