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7
「ねぇ、オマジナイを教えてあげましょうか?」
彼女はぞっとするような微笑を浮かべながら、言った。
「ずっとアナタ達が一緒にいられるオマジナイを。何を引き換えにしても良いのなら、教えてあげる」
ショックで頭が真っ白になっていたわたしにとって、それは救いの言葉だった。
だから頷いた。
そして彼女は教えてくれた。
オマジナイ―犬神の作り方を。
犬の首を切り、土の中に埋める。
そして思いを込めて、土の上を踏むのだ。
だからわたしは何度もここを訪れた。
オマジナイを成就させる為に。
犬神になれば、犬はずっとわたしから離れないから。
一生離れられないから。
そして、成就した。
わたしの願いは。
犬は犬神となり、わたしの側にいた。
そしてずっと、わたしの願いを聞き入れてくれていたんだ。
それを叶える代わりに、わたしの命は削られていったけど…大した問題じゃない。
どうせわたしも犬も、後は堕ちるだけだ。
犬神、憑き神として名高い呪法の一つだ。
彼女はオマジナイと言っていた。
…随分可愛らしく表現したものだ。
わたしは犬神を連れて、神社に来た。
そこには先客がいた。
彼女ではない。
けれど時を同じくして10年前に、わたしはその人に会っていた。
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