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『本当は手首につけて、匂いを試したりしないか期待してたでしょ?残念でした。
アレックスのおすすめなんて絶対裏があるから、簡単には乗らないわ』
『ひどいな~。明日バーチャルタウンで置き去りにするぞ』
二人がふざけて言い合いをするのを、大人たちは微笑んで聞いていたが、
バーチャルタウンと聞いて、登吾とダニエルが興味をしめした。
『明日病院の研究室を使っていいかな?ビオットの聖十字軍の祭りをまどかに
体験させたいんだ』
アレックスの質問に、ダニエルが病院に連絡を入れおくと言うと、
登吾と和美も見学をしたいと言い出したので、仕事のイレーヌを除き、
みんなで出かけることになった。
『全員で参加できるのはないの?』
和美が聞くと、登吾が首を横に振った。
『治療目的で作ったものだから、患者の集中力を欠かさず、目的地に辿り着かせるためには二人の方がいいんだ』
いつの間にか話が研究のことに移ったが、3人のドクターが、女性たちにも
分かるように難しい内容をかみ砕き、不思議で興味深かい内容を熱弁するので、
女性たちも真剣に聞きき、途中ちんぷんかんぷんな質問を交えて笑いあいながら、
夜は更けていった。
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