想い出の「おしるこ」

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 ふと、意識が鮮明になると、今まで私がいた場所はいつも通り見慣れた路地裏が広がり、少し肌寒い風が頬をかすめた。  しかし、手にはしっかりと先ほどの竹で作られたスプーンと、口にはあのお汁粉の味がしっかりと残っていた。  何が起こったか理解できなかったが、私は再度スプーンを力強く握りしめてぼそりと呟いた。  「ありがとう。」    
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