僕はどこまでも歩いた。

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 ヨモツ旅館はヒラサカ村の中でも大きい和風旅館のつくり。車が駐車場に到着すると、リュックを担いで宿に入った、 「おつかれでしょう。ゆっくりしていってください。」  車で送迎してくれた女性ー女将のムツミさんーは僕を部屋へ案内した和風の8畳間で清潔で落ち着いた雰囲気だ。食事はすぐに準備しますからと言葉を残してムツミさんが給仕場へ姿を消すと、僕は荷物をおろして一息ついた。 「お食事の用意ができましたよ。」  ムツミさんの澄んだ声がしたのは、日が暮れてしばらくした時だった。僕はうつらうつら眠っていたようで、声によって目が覚めた。食事は宴会場に用意されており、足を運ぶと十数人くらいの人がすでに食事をしていた。女中さんが忙しそうに行き来していた。 「今日はお客さんが多い日なんです。落ち着かないかもしれませんがどうぞ。」 料理は山のモノを中心にバランスのいい料理に舌鼓をうった。  しばらく食事をしていると、ムツミさんから。 「みなさんに美しい神社にご案内します。ぜひご参加ください。」 まわりの人はみんな参加するようだったので、僕も行かなければいけないような気がした。
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