ずっと一緒

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私の妹 鈴。おっきいクリクリのお目々。コロコロとよく笑いながらいつも何処へでも着いてくる。いつも一緒にご飯を食べて、おままごとやかくれんぼをしたりして夜はお風呂も一緒、寝る時も一緒。ただ、私がどんなに外で遊ぼうと言っても うつむいたまま絶対に玄関からは出ません。今日も、 「鈴、公園で遊ぼうよ。」 「…。」 やっぱりうつむいてそのまま動かなくなりました。 「じゃあ。私は行ってくるね。」 「…。」 私は友達と公園で待ち合わせしていたので急いで走って行きました。横断歩道を渡ろうとすると、キキキキー!と、大きな音と、「危ない!」と、言う誰かの声…。大きなトラックが…。ドンッ! 目の前が真っ暗になりました…。 おねえたん…。おねえたん…。クルクルとした大きな目でコロコロと笑いながら話しかけてくる…鈴…。 おねえたん。いつもいっぱいいっぱい遊んでくれてありがとう…。 おねえたん。ずっと一緒にいてくれてありがとう…。 「鈴?どうしたの?」 おねえたん…。鈴は、いっぱいいっぱい幸せだったよ。おねえたん大好き。ずっとずっと大好き。鈴の事、忘れないでね。 だんだんと遠のいていく…。 真っ暗の中から目が覚めた。目の前のお仏壇の中にクルクルした目で笑っている鈴の写真…。 私はその瞬間、全てを思い出した。私を追いかけて交差点を走って来る鈴…。トラックに当たってまるでボールの様に跳ね飛ばされて宙を舞う小さな妹。 鈴…。その時から鈴の姿が無くなった。 今でもふとした瞬間、コロコロという笑い声が聞こえた様な気がして振り返る時がある…。 鈴…。最後まで一緒に居てくれてありがとうね。
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