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時々、僕の声を聞いて、他の人もこの電車に乗ってくる。
同じ電車で、同じ風景を見て、同じ街を通り過ぎる。
同じ幸せを分かち合えて、僕たちは仲間になる。
女性の悲鳴が聞こえたら、僕たちは一緒に助けに行き、一緒に感謝され、一緒に誇りを胸にして、一緒に元いた車両に戻る。
何事もなかったかのように電車は走り続ける。
ガタンゴトン…
時々停まる駅で、僕たちは叫ぶのだ。
「この電車は、その電車よりも、すごくいい。」
僕たちを見た人々が、僕たちの幸せに憧れて、電車に乗ってくる。どんどんどんどん乗ってくる。
乗客が増える度に、僕たちは僕たちが正しいのだと実感する。それはとてつもない幸福だ。
乗客で溢れかえった車内は、幸福感に包まれている。
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