第一話 ここどこ?

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さて、自己紹介をしよう、俺の名前は『茂 大丸(シゲ ダイマル)53歳』どこにでもいる飲んだくれのおっさんだ。ちなみに童貞なんだが、おっさんには性欲という概念が無いらしく、年頃の女性を見ても、何も思わない。そのせいか、友人には『鈍感』というあだ名で呼ばれている。確かに昔からそうだった・・・、大学にいた頃に教室のマドンナとも呼ばれていた『岩谷 紗陽(イワタニ サヤ)』に告白されたにもかかわらず無表情で『そういうの、いいんで』とか言って断ったしな(しかも教室の皆が見守る中で) あの時紗陽号泣してたな・・・。 ・・・はっきり言ってしまうと今までの思考は現実逃避である。おっさんは仕事の帰りに酒のつまみをコンビニで買って、そのまま帰路につき家の玄関をくぐったんだが、その先に待っていたのは見慣れた廊下ではなく雑草や木々で覆われた視界の悪い・・・森林だった。その時のおっさんの第一声がこれだ 『ここどこ?』 かれこれあれから15分くらい経ち、ようやく思考がまとまってきた。どうやらここは日本ではないようだ、見たこともない植物や変な形の果実が実っている。しかも色が紫と緑のシマシマ模様だったり、スーパーキ●コみたいな模様をした花があるしで、かなり毒々しい・・・はっきり言ってここから動きたくない。だって変な生物とかがいたりしたら間違いなくおっさん失神するし。 しかしこのまま動かないわけにもいかないから、仕方なく適当な方向に歩いた・・・
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