特別な日

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店から店へと歩き回り、 半日かけて、誕生日のプレゼントを選んだ。 もう、空はすっかり暗くなっている。 疲れたけれど、 気に入ったものが見つかったから、良しとしよう。 朝、母親に「夕飯はいるのか」と聞かれて、 「いる」と答えてしまった以上、 間に合う時間に帰らなくてはならない。 ご飯を作らなくてすむのは実家暮らしの特権だが、 時間の制限ができてしまうのは致し方ない。 どうにかギリギリで帰れそうだった。 父親が帰ってくるのを待つ我が家は、 夕飯がどうしても八時ごろになってしまうのだ。 今日は、その遅さがありがたい。
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