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「キャー!」
ギャラリーからあがる悲鳴。
「ウソでしょう、ちょっとヤメテ!」
杏蜜も止めようと声をかけるが、当然ふたりは止まらない。
シルバーメッシュが振りかぶった拳に合わせて、リューイチもまた己の拳を繰り出した。
次の瞬間には、バチンと左右に弾けるふたりの位置。
リューイチは、
「――チッ」
その端正な顔に似合わない舌打ちをして、何かをペッと吐き出す。
――赤い塊。
震え上がる思いで見ている杏蜜に、シルバーメッシュはニヤリと笑ってみせるが、その頬にも見る間に一筋の線が浮かび上がり液体が滴り落ちる。
「……やりやがったな」
呟くシルバーメッシュに、リューイチは、指先を拳銃の形に作ってふっと息を吹きかける。
そのリューイチの爪が、異様なくらい長い。
まるで人外のモノみたいに、異常に細く鋭い爪。
シルバーメッシュも――、
あげた唇の端から、ニュウッと白い牙を覗かせた。
「……もういい。死ねよテメェ」
見るも恐ろしい形相に変わっている。
このふたり、一体なにもの!?
その時――。
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