第四章

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叫んでいるのはみみこだ。 みみこは地面に散らばったチクワを拾い上げ、ためらうことなく、 「あ、食べた――」 口に入れる。 そのまま、 「もっもっもっ」 泥だらけのチクワを口の中に消していく。 「……」 きっとみみこは、お腹も壊さないだろう。 みみこは最後の一本のチクワを咥え、ギロリとこちらを向いた。 「……ひっ」 思わず後退る杏蜜とシルバーメッシュ。 そしてリューイチは、 「グルルルルル」 低くうなり声をあげる。 指先にシャキッと鋭い爪を伸ばした。
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