第四章

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みみこは、 「わーたーしーのオーデーンー」 まだ言いながら、まるでゾンビのように、ズルリズルリとこちらに向かって歩いてくる。 「あんみつ、おれのうしろにいろ!」 リューイチが身を挺して杏蜜を庇う。 まさにホラーゲームのようだ。 そして杏蜜は、――キレた。 神さまや正体不明のリューイチなら怖いが、みみこなら別だ。 どんなに卑しかろうが汚かろうが、アレは人間。 人間の女の、はずだ。 だったら! ピンと思い出して、杏蜜は自分のサイフを取り出す。 そのファスナーを開けて、中身を一気に地面にバラまいた。 「いい加減にしなさい、このゾンビ女がっ!」
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