第四章

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「ギャアアアア!」 みみこは耳をつんざく悲鳴をあげて、 「お金っ、私のお金があっー!」 地面に這いつくばって、散らばった小銭を拾い始める。 「お金―っ、私のゴエンがーっ」 みみこのお金ではない。 杏蜜のお金だ。 だがみみこは混乱のあまりパニックを起こして地面を這いずりまわる。 そのゴキブリみたいな姿で小銭を拾い集める姿は、人間の欲深さと醜さを表していて、 ……どこか哀れだ。 みみこのさっきまでの醜悪な凶悪さは、すっかりなりを潜めて、今はもう哀れなだけだった。
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