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帝都、アルカンレティア。
アルベール皇国の首都であり、商業が盛んな街。
原産石の加工に長けた技術職、魔法文学の研究に力を入れている。
ガルハド・アルベール皇治めるこの国は南東諸国に位置し、爵位を持つ貴族との政治経済が目紛しい。
エレノア「一番上にあるのがアルベール皇の王城で
下に行くほど店がたくさんあるのよね。
下町には加工される前の品を売る店や、市場があるのねえ~…
よし、じゃあ行きましょうっ」
サリー「加工された宝飾品ではなく、未加工の物をお探しでしたら…屋敷に商人を呼べば済むのでは…」
エレノア「いいから、ついてきて」
馬車から降りた私とサリーは貴族ストリートから下町へと歩み始める。
街並みを眺めていると確かに綺麗な人は着飾っている貴族が多く、下町に行くに連れて次第に雰囲気が変わる。
おばさんが働く小物売り場に私は足を止める。
おばさん「あら、綺麗なお嬢さん。
ここらじゃ見ない顔だねェ、どうだい?
ポプリの小瓶や、クローバーの手鏡もあるよ」
エレノア「どれも素敵な品ね、これは全部手作りみたいだけど貴女が作ったの?」
おばさん「ええ、勿論よ。
ほら、この露草のオイルはハーベルの露草なんだ。
ハーベルの森に咲く大樹の近くには良質のいい草花が多いからね。
最近は、魔物も少ないし仕入れにも手間賃がかからないから量産しやすいんだよ、1つどうだい?」
おばさんはそう言って小さな淡い紫の小瓶の蓋を開けてくれる。
中からシトラスのアロマの様な香りがすると、気分が安らぐ匂いがする。
私はサリーをちらりと見ると彼女は持っていたカゴの中から財布を取り出してくれた。
エレノア「そうね、じゃあ1つ頂くわ」
おばさん「はい、今包むからね。露草のオイルは寝る前に肌に塗ると爽やかな目覚めができるよ。」
エレノア「ありがとう」
お会計を済ませてサリーと少し歩くと、サリーが教えてくれた店に入った。
店主「ん?やあ…サリーじゃないか…おや、今日は1人ではないのか。」
渋い感じのスラッとした品のいいおじさんだ。
サリー「こんにちわ、こちらは…」
そう言ってサリーは私をジッと見る。
ふるふると頭をふりながら私がエレノアだというのはオフレコですよー!とアピールする。
サリー「奥様の従兄弟筋のお嬢様です。
名前はエル様です。」
すごい、適当な名前だ…!
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