第1話 悪役令嬢はフラグを回避したい。

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エレノア「エルです。こんにちわ…」 店主「オキュペデの店主ジルバです、お嬢さん。 ここは流通品の布地ばかりだけれど、今日は一体どんな御用ですかな?」 おおう…できる男の紳士の匂いがする。 エレノア「そうですね… 貴族以外の流行りの布地やレースなどあれば見せて頂けませんか?」 ジルバ「下町の庶民の流行り物ですか… ふむ、そうですな…この紺色の染物は男性向けですね。白は少し値がはる故、茶色の皮製品などベルトに使われます。 女性ですと白から薄桃、薄黄、小レェスなど。 発色の明るい物はコルセットなどに使われます。」 エレノア「なるほど、ジルバさんのネクタイは紺色というより黒に近い物ですね… 男性の方は暗い色より、上品な物を好むのが今の流行りですか?」 ジルバは目を丸くすると、ふっと小さく笑った。 そうして、サリーを見ると、私に応えた。 ジルバ「如何にも。今は黒や銀色などもアクセントとして男性には人気ですよ。 贈り物にネクタイなども賜りますが年代問わず使われていますね。」 エレノア「ふむ。わかりました、ありがとうございました。 では、これとこれ。こちらからそれまで見繕って屋敷に…えーっと、伯母さまのお屋敷に届けて下さいますか?」 ジルバ「はい、畏まりました。」 エレノア「サリー、あっちの棚見てくるね」 サリー「はい」 ジルバ「…しかし、サリー、変わったお嬢さんのお世話をしているようだねえ。 庶民の物を欲しがるお嬢様なんてのは初めてだよ。 あれは本当にあのイザベル様の従兄弟筋なのかね?」 サリー「…」 ジルバ「おいおい、黙るなよ。 お前さんは美人だが愛想がないせいで表情が読みにくいんだ。」 サリー「読まれなくて結構です。」 ジルバ「やれやれ…」 サリー「エレ…、エル様帰りますよ」 エレノア「はーい」 エレノア「ジルバさん、ありがとうございました。 また来ますねっ」 ジルバ「いつでもどうぞ、お嬢さん」
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