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エレノア「エルです。こんにちわ…」
店主「オキュペデの店主ジルバです、お嬢さん。
ここは流通品の布地ばかりだけれど、今日は一体どんな御用ですかな?」
おおう…できる男の紳士の匂いがする。
エレノア「そうですね…
貴族以外の流行りの布地やレースなどあれば見せて頂けませんか?」
ジルバ「下町の庶民の流行り物ですか…
ふむ、そうですな…この紺色の染物は男性向けですね。白は少し値がはる故、茶色の皮製品などベルトに使われます。
女性ですと白から薄桃、薄黄、小レェスなど。
発色の明るい物はコルセットなどに使われます。」
エレノア「なるほど、ジルバさんのネクタイは紺色というより黒に近い物ですね…
男性の方は暗い色より、上品な物を好むのが今の流行りですか?」
ジルバは目を丸くすると、ふっと小さく笑った。
そうして、サリーを見ると、私に応えた。
ジルバ「如何にも。今は黒や銀色などもアクセントとして男性には人気ですよ。
贈り物にネクタイなども賜りますが年代問わず使われていますね。」
エレノア「ふむ。わかりました、ありがとうございました。
では、これとこれ。こちらからそれまで見繕って屋敷に…えーっと、伯母さまのお屋敷に届けて下さいますか?」
ジルバ「はい、畏まりました。」
エレノア「サリー、あっちの棚見てくるね」
サリー「はい」
ジルバ「…しかし、サリー、変わったお嬢さんのお世話をしているようだねえ。
庶民の物を欲しがるお嬢様なんてのは初めてだよ。
あれは本当にあのイザベル様の従兄弟筋なのかね?」
サリー「…」
ジルバ「おいおい、黙るなよ。
お前さんは美人だが愛想がないせいで表情が読みにくいんだ。」
サリー「読まれなくて結構です。」
ジルバ「やれやれ…」
サリー「エレ…、エル様帰りますよ」
エレノア「はーい」
エレノア「ジルバさん、ありがとうございました。
また来ますねっ」
ジルバ「いつでもどうぞ、お嬢さん」
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