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「ありがとうございます」と、土下座しながら謝る、神様を名乗る彼。
咄嗟に「顔を上げてください」と、私。
この彼の話しを聞いてみると、気づいたら、何故かこの街に来ていた………らしい。
と、真剣な眼差しで私を見つめ、そう言う彼の話しを私は嘘を付いているとは思えなかった。
(本当なのかも知れない)
「あの、ひとつ聞いてもいいですか?」
「どうぞ」
「あの、あなたは本当に神様ですか?」
と言うと、この神様を名乗る男は、 「そうですけど」とあっさりと認める。
「神様って何か出来るですか?」
「えっ?………特に何も出来ない」
「何も…………出来ない?」
「……………はい、何もないですよ」
お互いに小首を傾ける。
しばらく、私達の間を生暖かい風が吹き抜ける。
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