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私は頬を赤くしながらも疑問が残る。
そう、何故、神様の姿がはっきりと私は見えるのか。
私は不思議に思い、神様に問う。
「うーん、何でだろね。僕も分からないなぁ。だって、見えないもん。普通」
神様は首を傾げ、眉間にシワを寄せ、しばらく考え込んでいた。
「ごめん、分からん。」と小さなため息をつき、私に言った。
確かに私も何故、見えるのかが本当に分からない。
別に、小さい時から何かしらの不思議なモノを見たり、特別な体験をしたわけでもない、これまで至って普通に生きてきた。
そんな私がいきなり見えるなんて、しかも神様を。
私も首を傾げ、眉間にシワを寄せ、考える。それからしばらくの間、私の足音だけが鳴る。
───
────
私の足音が止まる。実家に着く。
何時振りだろ、実家に帰るのは。
確か、高校を卒業してから来てなかったなぁ。
──成人式は行かなかった。
何でかって?うーん、今でも分からない。別に『ボッチ』ではないんだ。
それなりに友達もいたし。それにLINEでも何故か頑なに行かないて友達に送ってたっけ。
─私は玄関先で止まる。実家を見ながら深呼吸する。
「よし、じゃあ、行こうか」と神様に言う。
────ピンポーン
玄関が開く。
「はーい。えっ、」と驚く母。
「ただいま。帰って来たよごめん急に帰って来………、えっ」
何故か、ニヤニヤしている母。視線は私ではなく、私の後ろを凝視していた。
「あんたもやるわね」
「何が?」
「何が?って、久しぶりに帰って来たと思ったら彼氏連れ来るなんて」
「彼氏?えっ?」
私と神様はお互いに、顔を向き合わせる。
私は神様に訴える。神様は分からないとばかりに手を大きく振る。
「今日は久しぶりに腕を振るか」
母は意気揚々とキッチンに向かう。
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