プロローグ

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 所が、同僚の一人がゲーム内で問題のキャラクターを引き当て、社内はパニックに陥る。  そのキャラクターは、名称をバットマンと表示され、黒衣を纏った人型をしている。  フードの奥に隠れた顔には、額に目が一つ有り、本来の目は傷で塞がれている。  未知のキャラクターは、雰囲気は死神だが、持っているのは鎌では無く、長い鉄棒の様な武器だった。  バットマンは、誰もプログラムした覚えが無く、全員で原因を探す事になった。  松田は、そんな経緯でパソコンの前に座って居た。  さて、彼は、同じ姿勢での長時間の作業に疲れを覚え、休憩する事にした。  マウスの右斜め上には、差し入れのシュークリームが有る。それは、三時間前に社長から差し入れされた物だが、煙草の臭いで食欲が失せた為、放置していた物だった。  柔らかいシュー生地がヤニを吸収しているようで手を出さないでいたが、脳が欲していた。  脳の栄養分は、生クリームとカスタードクリームが両方とも入ったダブルシューで、ボリュームもたっぷりだった。 「確か、シュークリームってキャベツの意味じゃなかったかな?」  松田は、ちょっとした豆知識を思い出していた。
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