舜一と勇治

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「あっ、伯父さん、僕だけど……」 「マサさんの事か?」  伯父は舜一の用件を察していたようで、こうなると、他殺の線が濃くなる。  舜一には、それも気になるが、伯父が気軽に放った「マサさん」も気になる。何時の間に親しくなったのだろう? 伯父の蟹江敬三は、強面の刑事で、舜一は秘かに平家蟹とあだ名を付けていた。  強面同盟かと予想する。  それはそうと、成政は母とはラブラブで平家蟹とも親しく、勇治も手なずけていた。舜一は、自分の偏見が強すぎた気がして、あの行為が極悪に思えて来た。  気を取り直し、伯父に事情を聞く。 「亡くなった原因をはなせる?」 「どうせ後で解る事だから話すが、誰かに鈍器で殴られたのが死因だ。犯人は必ず捕まえる。気を落とすなよ」
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