プロローグ

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「でも、脳みそにも見えるな」  そんな風に思った直後、スマホにメールが来た。送り主は、澤地豊雄になっていた。 (あなたは20人目の生け贄です。もう全員が用済みなので、バットマンが殴りに行きます。 闇復活祭(ダークイースター)まで、後10人。) 「澤地豊雄? 闇復活祭(ダークイースター)?」  身に覚えのないメールを不審に思う。  すると、辺りが急に暗くなり、不安の影が差した。背中に、嫌な空気を感じる。押し潰されそうな圧迫感が有った。  悪寒が走り、気分が悪くなる。心拍数が上がり、根拠のない不安に(さいな)まれる。 「来る。来る」頭に浮かぶのは、ネガティブな言葉だった。  緊張が最高潮に達した瞬間、オフィスは急に明るさを取り戻し、普通の日常に戻る。まるで、先程の事が夢でもあるかのように、気が軽くなった。  だが、松田は、パソコン画面の端に無気味な物が映っている事に気が付いた。  それは、一つ目の怪物の顔で、妙に薄ボンヤリしている。  ただ、薄ボンヤリの原因はすぐに見当が付いた。背後に立つ物が、反射して画面に映り込んでいるのだ。怪物に動きがあり、凶器を振り上げている。 「!?」  一撃目、強烈なインパクトが来た。彼自身にも、衝撃で頭蓋骨が歪み、破損したのが感じられた。  目玉が飛び出し、血が四方に飛び散る。  二撃目、歯が吹き飛び、ディスプレーに刺さる。鼻と口は、空気が漏れる音しか出なかった。  右手で掴むシュークリームの中身が、圧迫されて流れ出す。  痙攣を繰り返す指に押し出され、生クリームとカスタードクリームがぐちゃぐちゃに混ざった物が飛び散る。シュー皮が破れ、指がめり込む。  松田は、肉の塊になった。
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