第2話 「新鮮な日常」

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あれから半年が過ぎ、生活が激変した。 最初は学校が終わった後から23時まで彼と一緒にいるだけだったが、今では彼の家に完全に住んでる。彼の家から学校まで少し遠くなってしまったが、何も問題はない。 住むのにかなり揉めてしまったが、条件付きで渋々承認された。 彼が決めた条件は変わっている。 一番はやはり「性行為に関わるようなこと禁止」。普通は女である私から言うような事なのに… 彼いわく、「俺は性欲は人並みにあるが、大の人間嫌いの人間不信だ。それ故に恋愛感情というものを持ち合わせていない。性行為は相手を信頼して成り立つものだと考えている。だが、俺は人間を好きになることも信頼することも絶対にないし、あり得ない。だから絶対に行為に及んではいけない。もし関係を持ったら、そいつらの身内、産まれたての赤ん坊や老人を含めた全員殺しても俺の気は晴れないだろう。」という理由らしい。 他にも「住む際の金銭面は払う必要はない。その代わり家事を手伝う事」、「洗濯は共同で使うものと自身のものだけをする事」、「着替えは風呂内でする事。廊下でも良いがそれは俺が家にいて、必ずそのことを伝える。外から帰って来た時に出くわしたくない為」、「お前はベット、俺は地べた」などなど。 彼が家主なのに彼にとってデメリットな条件ばかり。その事について突っ込んだら怒って拗ねられそうだ。心中に留めておこう。
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