朝までの、月
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「いいね、何を賭ける?」 男は装って期待を打ち消しているが、女の言葉が待ち遠しくてならないようだ。 しかし、いつもなら慌てて身支度を整え早々にベッドを後にする女が、こうして間際に急がないのははじめてだ。 「そうね、次に登る・・・《太陽》を」 面白い賭けではあるはずだが、とたんに男は冷静になった。どうして、今日は急がないのだろうか。 「ねえ、パパ? ママがいないの」
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