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着る服が決まれば今度はさくらの前で恥を掻かないように、明日、バスに乗ってS市に到着してからをシュミレートする。マップは全て頭にインプットだ。特に到着時にあたふたしないようにと、帰る際のバス停の位置だ。
ある程度のマップをインプット。もはやプレッシャーでしかない。断ればよかった。そう考えてしまうほど俺は焦っていた。
そういえば、明日、約束はしたが二人で行くとは聞いていない。そうだ、他にも行く人がいるに決まってるじゃないか。俺と二人きりなわけがない。だったらこんなに必死に考える必要はないじゃないか。さくらに聞いてみようかな。今さら聞けないよな。明日だもんな。徐々に俺は楽な方へと妄想し始めた。
とりあえず、現金だけは余裕をもって持っていくことにした。やっぱ男の俺が支払いとかしないとカッコつかないからな。
そして日曜日を迎えた。雨が降ることはなかったがやや曇り空だった。
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