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弱みは見せたくないのです（ゼロス）
しくじった。そう思っても後の祭りだ。
数日前から少しだけ、疲れやすいように思っていた。ただそれは遠征の疲れが出たんだと思っていた。周囲も少し疲れているような感じがしたし。
睡眠と食事に気を付けて、水分を取るようにしていたんだがダメだったらしい。
今朝方、軽い怠さがあったが、その日の昼頃に症状はもっと明らかになった。頭痛と、関節の痛み。それでも発熱まではないと重い腰を上げようとして、失敗した。
膝から崩れて立ち上がる事ができず、全身寒気が走った。側にいた仲間が驚いて近づいて、同じく慌てて近づいてきたクラウルに抱え上げられて医務室に運ばれたのだ。
「風邪ですね。遠征疲れが出る頃に気温が急激に下がりましたから」
やや無機質な応対ながらも、リカルドは的確に診断をした。どうやら同じように体調を崩す隊員が増えているらしい。
「初期ではありますが、他の隊員の様子を見るに熱が急激に上がるようです。消化にいい、温かい食事と水分をしっかり取る事と、温かくする事です。今は寒いですか？」
「少し……」
「熱が上がる可能性がありますね。風邪薬を日に三回。他にも解熱の薬を出しますが、こちらは熱が高くなった時だけです」
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