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途端、咄嗟についた手首に違和感を感じる。そして足首も軽く捻った感じがあった。
それでも重なった唇が扇情的に煽るから、痛みよりも気持ちよさが勝ってしまってたまらなかった。
「んぅ、ふっ……」
「んっ」
舌を絡められて、少し強引に吸われて背中にゾクゾクした気持ちよさが走る。これがとても弱いのだ。
「先生、ダメだって!」
「どうして?」
「どうしてって……」
誰かに見られたら。
思ったけれど出てこない。都合が悪くて視線を外すと、ハムレットは気に入らないという様子でこちらを睨み付けてくる。
「借りてきた猫っていうけれど、本当だね」
「え?」
「早く別宅に戻りたい」
ふいっと機嫌悪くそっぽを向いたハムレットに、チェルルは何とも言えない気持ちのままで俯いてしまった。
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