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【おまけ2】借りてきた猫2(チェルル)
夕食に呼ばれたチェルルはハムレットの案内で食堂へと向かう。するとそこには以前話をしたアレクシスがいて、チェルルを穏やかに迎えてくれた。
「チェルル、よく来てくれたね」
「お招き有り難うございます」
「そんなに硬くなる必要はない。身内の軽い顔合わせだから」
自ら立ち上がり出迎えてくれたアレクシスは物腰も柔らかくて紳士的だ。
そして車椅子に座りっぱなしのハムレットは、思いきり面白くない顔をしている。
「ところで、お前は何に臍を曲げているんだ?」
「べつに」
「その子を取ろうとなんて思っていないぞ」
「分かってるよ」
どうにもつっけんどんな物言いにちょっと苦笑してしまう。チェルルから見てもアレクシスの対応はホストとしては普通の範疇だし、妙な雰囲気もないのだけれど。
その時突然と背後のドアが開いて、「まぁ!」という明るい女性の声が響いた。
驚いて振り向き、その人を確認する。だが、確認と抱きつきが同時だった。
「いやぁん、可愛いじゃない!」
「むがぁ!」
「小柄で素直そうで、すっごくキュート! ハムレットにしては上出来よ!」
胸のあるランバートかと思った。それくらい顔立ちが似ていた。雰囲気は違うけれど。
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