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風邪なんて無縁そうなゼロスだが、季節の変わり目に体調を崩す事が多い気がする。本人は隠そうとしているようだが、騎士団の医療チームはお見通し。しかも最近は内科医のリカルドがいるせいで余計に連行されていく隊員が多い。
コンラッドはちょっと考えて、首を横に振る。その反応にハリーの方が驚いた。
「違うの?」
「少なくとも騎士団にくるまでは、あいつ体調を崩すなんてなかったかな。いや、厳密にはクラウル様と交際始めるまではそんな様子見せなかった。あったのかもしれないが、隠してたな」
ということは、クラウルと付き合い始めてからってことだ。言われてみればその前は体調悪いなんて思わせもしなかったかも。
でもそれは、きっと甘えているってことだ。自然と気が抜ける場所があって、安らいでいるからこそ体調を崩しても平気だと思えるんだろう。
「ゼロスって、案外可愛い所あるな」
「クラウル様関係だけだろ。時々、妙に色気のある溜息つくから後輩がドキドキしてるよ」
「側にランバートいるから上手く隠せると思ってるんだろうけれどね」
言って、二人で笑った。既に騎士団の中核になっている二人が頑張れている原動力は間違いなく、素敵な恋人がいるからなんだ。
「それにしても、満たされない! 元気になってきたら色々溜まるよー」
悶々としてバタバタしていると、コンラッドは困った顔をする。そしてほんの少し顔を赤くして、部屋の鍵をかけた。
「ほえ?」
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