【R18】寂しい時間を埋めて(ボリス)

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「ボリス?」 「そうだよ?」 「本当にボリスだよね?」 「なに? 俺の偽物でもいるの?」  からかうと、フェオドールの目に涙が浮かんだ。そして人目もあるだろうに気にもせず、突進するみたいに胸に飛び込んできた。 「うわ! もぉ、どうしたのさ」 「だ……手紙、返ってこないから、返せない事情があるんじゃないかって」 「あ……」  なるほど、不安になっていたわけか。  これは悪い事をしたかもしれない。不精したせいで、悪い事を色々考えたんだ。そういうネガティブな部分もあるのに、失念していた。  グズグズしているフェオドールを受け止め、ポンポンと頭を撫でたボリスは素直に感情を表すフェオドールを優しく見ていた。 「とりあえず、入れてくれる? 今日は外泊出して来たから、明日の門限まで一緒にいられるよ」 「んっ、ごめん。あぁ、どうぞ」  グイグイ涙を拭って、少し表情を引き締めたフェオドールが中に案内してくれた。  エントランスが一応はあって、正面がサロン。左手側は応接室や使用人の部屋があるそうだが、今は未使用とのこと。右手側が主な生活スペースで、ダイニングや談話室、キッチンなんかもある。     
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