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「こういう店を引き当てると、なんだか嬉しくなるね」
「そうだな。また来よう」
本当に美味しいのだろう、ファウストはそういうのが分かりやすい。単純に食べる勢いが落ちないから。
トーストもカリッと焼けて、目玉焼きは程よい半熟に黒胡椒がピリッと引き締めている。本当に当たりだ。
「ふぅ、以外と食べちゃったな。ディナーは宿舎かな?」
「そうだな」
満足なだけ食べてしまったから、夕飯は少しセーブして。
店を出ると普段は行かない西側の細い道の側だ。
「最近街の散策もできてないから、見てく?」
「そうしよう。そう言えば、この辺りにエリオットが気に入っているクッキーと紅茶の店があるはずだ。持ち帰りもできるぞ」
「そこでお土産買っていこうか」
ファウストについてのんびりと散歩。途中の公園も、ゆっくりと秋色に変わっている。散歩して、少しのんびりだ。
「そういえば、そろそろ秋の芸術展とかも始まるんだな」
張り出されている案内をふと目にしてそんな事を呟く。秋は芸術展や歌劇、音楽祭も多い。死者の祝祭日には子供達が仮装して街を練り歩き、お菓子を欲しがるものだ。街もそろそろ飾り付けが始まるだろう。
「美術展巡りでもするか?」
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