【恋愛騎士物語】６４章 ラブ・シンドローム？

【R18】貴方を待ちわびて（リカルド）

　夕食、風呂を終えての自室、リカルドはランプのついた机に向かっていた。

　ハリー：ほぼ回復。次の診察次第では復帰。
　ゼロス：回復傾向。だが、まだ夜間に熱が上がる事がある。
　エリオット：要治療。喉の腫れ、発熱、頭痛が顕著。食欲はある。
　ハムレット：短距離の歩行可。痛みは軽減。血尿軽微。来週末には退院予定。
　ベリアンス：リハビリ継続。痺れ継続中。意欲的にリハビリをしている。

　報告用の患者の容態を書き出したリストを纏め、時折固まった体を解すように伸びをする。肩を回すとゴリゴリ音を立てそうだ。

　エリオットが風邪で沈んだが、同時に風邪の患者も回復し始めた頃だった。今のところ、彼が一番の重症患者だ。
　普段まったくもって健康なエリオットが倒れた事でオスカルがオロオロしている。あのような彼の姿は初めてで少し驚いたが、当然と言えば当然だ。普段から定期的に風邪などを引く人間なら周囲も慌てない。だが、そうじゃない者が病気をすると焦るものだ。
　一応、しっかりと検査もした。普段病気をしない人が突然倒れるときは、大きな病の時もある。念には念をだったが、杞憂でよかった。