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ただ、やはり喉の腫れは辛そうだ。唾を飲み込むのも痛そうで、気道が狭くなって苦しそうにしている。扁桃腺の腫れは発熱に繋がる。今も三八度台をいったりきたりしている。
熱があれば頭痛もする。炎症は関節にもあり、特に指などは痛そうだ。腕も長く上げられない。
解熱と炎症を抑える薬を処方し、必要なら点滴をする。座薬を嫌がったがオスカルに渡した。直腸摂取の薬は即効性があるから、どうしても熱が高い時は使ってもらう。
一方のハムレットは重傷だったにもかかわらず回復が早い。痛みのあるうちは横になり、言わなくても水分を多く取る。その間にも無理のないリハビリで筋力が落ちるのを防ぎ、動く許可が出たらトイレまでの短い距離は看護者のチェルルに支えてもらいながら歩いている。
痛みも隠さなければ、症状も隠さない。だが同時に検査結果の開示を求めてくる。
さすがは医者だった。そのおかげで、予定よりも早く退院の許可が下ろせる。
ベリアンスはおそらく、リハビリをしても思うような進展はないだろう。聞けば傷を負ってから的確な治療がされるまでに時間が経ちすぎている。神経系の傷は負ってすぐに的確な治療を受けられれば回復の可能性もあるが、遅れたとなれば戻る事が難しい。
彼の場合完全に切れてしまったわけじゃないが、ほんの少しの傷が痺れという症状になる。
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