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「どうしようかな……どっちかと言えば、スケッチに行きたいかも」
遠乗りを兼ねて、秋の景色をちょっとだけ。気軽に描けるのは嬉しいものだ。
「それもいいな。暫くは何事もないだろう」
「それを願うばかりだよな」
「まったくだ」
溜息を一つ、次には苦笑。そうしてふと、色々仕事の事も思いだした。
「そう言えば、体調崩した奴も多いって話しだけれど」
「それの報告だったんだ。軽い体調不良はあれこれだが、数人は少し重そうだ。長期遠征後で、急に気温が下がったからな」
「なるほど、それだったんだ」
ハリーも少し怠そうにしていた。熱はないと言っていたけれど、これからは分からないだろう。
「遠征後ということもあって、隊員の定期検診を急遽早めようという日程調整だったんだ」
「おつかれ」
「お前は大丈夫か?」
温かな手が頬に触れる。意外と冷えていたのか、手の温もりが心地よかった。
「俺は大丈夫、今の所はね」
「気を付けろよ」
「お互い様に」
そんな事を言い合いつつ、エリオットおすすめという店へと足を向けていく。本当に、のんびりとした午後の時間だ。
エリオット一押しのクッキーの店は、本当にどれも美味しく小さくて食べやすいものだった。シナモンに、ナッツ、シンプルなプレーンの他にジャムをサンドしたもの。
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