386人が本棚に入れています
本棚に追加
「……貴方は私の恋人ですよね?」
「違うの!?」
「それは私が聞きたい。恋人からキスをするのは、何かおかしなことですか? 貴方が欲しいと思うのは、何か間違っているのですか?」
失礼な話しじゃないか。もう何ヶ月も彼と触れあっていない。スキンシップ過剰でもないし、むしろ引きこもりのインドアだけれど、愛情も薄い方だけれど。
それでも初めての恋人という甘い響きは気持ちを擽る。近くにいれば触れたいし、触れて欲しい。これは何か間違いなのだろうか。
チェスターはオロオロしながら首を横に振っている。勿論、間違っているなんて言わせる気はないのだが。
「もう何ヶ月も、貴方に触れていません。多少寂しいと思う事は、いけないことでしょうか?」
「違う! 違うよ先生、そうじゃない。嬉しいよ」
「では……」
「でも先生は今、とても忙しいでしょ? エリオット先生も風邪でダウンしちゃうし、他にも体調崩す人もいるし。疲れてるでしょ?」
「疲れています。だからこそ貴方を補給させろと言っているのですが」
いい加減イライラする。これが優しさからだというのは十分に理解しているのだが、生憎その気遣いが邪魔だ。
最初のコメントを投稿しよう!