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色々試食するうちにあれこれと欲しくなって、結局紅茶と一緒に沢山買ってしまった。
「お前、こんなに買ってどうするんだ?」
「うっ」
隣で呆れたようにファウストが言う。そういうファウストもコーヒーの練り込まれたものをクラウルに、紅茶の茶葉が練り込まれたものをシウスにお土産にした。自分用にはココア生地のものを買っている。
「エリオット様とか、他の同期にも配るか」
「確かに美味かったからな。上で紅茶と一緒に焼き菓子のセットもあるらしいぞ」
「昼を食べ過ぎたから、今は入らないよな。今度また来よう」
「あぁ」
互いに今日は荷物がいっぱい。それらを持って手を繋ぎ、のんびりと宿舎に帰っていく。
だが、事件は宿舎で起きていたのかもしれない。
「え? ゼロスが風邪?」
クラウルの所にお土産を持っていくと、心配そうなクラウルがそう説明した。何でも昼過ぎくらいに体調が崩れたらしい。
「遠征の疲れが出たんだろう。今は熱が高い。他にもハリーが倒れた」
「分かった、外しておく。お前も気を付けろよ」
「すまないな」
お土産のクッキーを受け取ったクラウルが苦笑してドアを閉める。互いに顔を見合わせて、その足でシウスの部屋に向かった。
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