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シウスとラウルは至って元気そうだ。というよりも、この二人が体調を崩した所をあまり見た事がない。
「お前達は元気だな」
「あぁ、ゼロスかえ? 季節の変わり目で、尚且つ気が抜ける瞬間じゃからの。致し方あるまい」
買ってきたクッキーと紅茶で夜のティータイムとなったが、なんだかすんなり喜べない感じもある。
「お前達は丈夫だな」
「元々は森暮らしじゃからの、体調を崩せば死に繋がりかねん」
「僕も大勢の中で育ちましたから」
「自然児ほど強いということか」
ファウストが納得の様子で頷く。ランバートは苦笑が漏れた。
「他にも何人か伏せっておる。気になるのは、エリオットじゃな」
「エリオット様、どうしました?」
「少し疲れが出ているように思う。今はハムレットの事があるから気を張っておるが、あれも危ういぞ」
なんでも、ちょっとぼーっとする事があるそうだ。単なる疲れだといいのだが、隊内で風邪が蔓延となると心配は尽きない。
「まぁ、リカルドもおる故、医療府が回らぬなんて事にはならぬだろうがの」
「心配ですね」
どうやらあちこちで色んな事が起こりそうな予感に、ランバートは隣のファウストを見上げ、ほんの少し困った顔で笑った。
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