不安ごと抱きしめて

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 それは助かる。ランバートの事がきにかかり、正直仕事が手に付かなかったのだ。  その時、控えめなノックがあって声をかけた。そうして現れた医療府のスタッフが、とても遠慮がちにファウストに声をかけた。 「あの、来て頂けると……」 「え?」 「ランバート、起きたんですけれど様子が違って。なんだか、混乱してるみたいで」  心臓がギュッと痛くなって立ち上がり、呼びに来た医療府のスタッフを置き去りにしてファウストはランバートのいる部屋へと走っていった。  部屋につくと、ランバートは辛いだろうに震えながらばたついていた。ただ力は入らないから、リカルドに簡単に押さえられている。ポロポロと泣いて、出ないだろう声を上げているように思えた。  何があったのか分からない。ただ、あまりに辛そうな姿に走り寄って、ファウストは正面からランバートを抱きしめた。 「あっ、う……」 「大丈夫だ、ここにいる。ランバート、落ち着け」  震えながら、力の入らない手で胸元を握るランバートは子供のように泣きじゃくったのだろう。グチャグチャになっている。それでもファウストを見たらゆっくり呼吸が整って、次には力の抜けた重みがかかった。眠っている。 「助かりました。鎮静剤を打とうか迷っていました」 「どうしたんだ?」     
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